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  • 執筆者の写真伊﨑 一夫

No.3【2020-09月】具体的にほめる

〈ほめて育てる〉よく言われることです。「いいね」「すごいね」「偉いね」といった「ほめ言葉」は明るい子どもを育てます。しかし「それが難しくてとても……」という声も聞こえてきます。

 〈ほめて育てる〉ですから、「ほめれば育つ」がその前提です。しかし時には厳しく「注意する」ことも必要です。世の中には「ほめる達人検定」もあれば「叱り方検定」もあります。

 〈ほめて育てる〉ですが、「ほめなければ…」となってしまうと逆効果です。「今日はほめられなかった」「ほめることが見つからない」「叱ってばかりで…

…」と落ち込みます。

 〈ほめて育てる〉ですから、大切なことは「何を」「どのように」ほめるかです。親子のように近い関係の場合には「いいね」「すごいね」「偉いね」を連発することも効果的です。具体的にほめなくても「大切な人」「かけがえのない人」だというアピールになるからです。隣の家の子どもに「いいね」を連発することはありません。

 しかしできれば〈ほめて育てる〉にふさわしい「ほめ方」を身につけておきたいものです。絵画や習字のコンテストで優勝した子どもに「すごいね」「偉いね」はよくあります。ただ、このほめ方だと優勝しなければほめてもらえません。「優勝」以外の〈ほめて育てる〉要素、絵画や習字の作品そのものに含まれている特徴に目を向ければ〈ほめて育てる〉ヒントがたくさん得られます。

 色使いや運筆の勢い、構図や全体のバランスなど、ほめる人が感じた「ここがいいね」「これがすごいね」「私はここが好きだよ」を伝えることが最高の〈ほめて育てる〉です。【具体的にほめる】ことが常に求められる教育の場での常識です。

 【具体的にほめる】に使える「ほめ言葉」なら他にもたくさんあります。「ありがとう」「頑張ってるね」「ナイストライ!」「いい経験になったね」などが使える場面を探してみましょう。「子ども」を「仲間」「同僚」「部下」などに置き換えると大人社会でのヒントになります。

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